「ライセンスを取得するということ」  H.T

TELにて
スタッフ:「お帰りなさいませ。ライセンス取得おめでとうございます!おつかれさまでした。」
H.Tさん:「大変お世話になりました。おかげさまでライセンス取得することができました。ありがとうございます。」
スタッフ:「多発に加え、計器飛行証明取得で当初の目標をクリアなさり、素晴らしいですね。おめでとうございます」

ということで、夏休暇を利用なさって29日間(7月下旬~8月中旬)で多発/計器ライセンス取得なさったH.Tさん。

ご帰国後、これからライセンス取得なさる方々へのエールになれば。。。ということで取材に応じてくださいました。


H.Tさんが、今回ライセンス(多発/計器)を取得しようと決心なさった理由は?
現在、航空機製造会社に勤務しているのですが、数年前に防衛庁関連設計部から民間機関連設計部に移動となり、以降民間機パイロットと仕事上でのおつきあいが増えることが予想されました。
そのため、彼らが置かれている状況をより良く理解し、また彼らと共通の「言語」を話せるようになっておくことが
必要と考え、一昨年まず日本の計器飛行証明をとりました。優先順位からいくと次は「多発」かな、と考え、今回の挑戦となりました。


フライトスクールとして小野アビエーションをご選択なさった理由は?
元航空大学校の教官をされていた方に奨められました。


現在、どのようなお仕事に従事なさっていらっしゃいますか?(業務内容など)

現在、三菱重工業の名古屋航空宇宙システム製作所という事業所で、民間機の基礎設計業務を担当しています。


既に、飛行機のライセンス(自家用)はお持ちでしたが、お仕事の関係で今回ライセンスを取得なさったのですね。

動機はそうですね。大学生のとき、これから航空機の設計でご飯を食べていくのだから操縦の現場ぐらいは知っておかねば、と考え、取得しました。


今回、29日間という限られた期間でしたが、渡米前に一番心配(気になって)していたことは?

また、長期休暇を取得するにあたり、お仕事の面で配慮なさった事は?もしくは長期休暇を取得するために頑張ったこととか。。。
(通常、お仕事なさっている方々は、長期休暇を取得することがムズカシイ面がありますので)
TSAの関連で渡米後約1週間は訓練に入れないと聞いていましたから、実質3週間でどこまでいけるか、という問題はありました。
そこで、最初の1週間の実技訓練に入れない期間中に学科試験を受けるよう計画しました。これは短い滞在期間を有効に使うためには重要なことだと思います。 休暇をとるにあたっては抵抗もありましたが、これは本人の「熱意」があれば何とかなると思います。

 

 

幼少のころから、飛行機が好きだったのですか?現在のご職業に就業なさった理由/きっかけは?
子供のころは科学者になろうと思っていました。残念ながら才能不足によりあきらめましたが。。 大学で航空機の奥深さに触れ、現在の職業に就くことにしました。

 

 

 

H.Tさんについて


1958年生まれ 50歳
生まれは福岡です。子供の頃は内気?で、よく幼稚園から脱走していたようです。(笑)


少年時代はどのような少年でしたか?
普通の少年でしたね。週末は野球かテニス、夏は海かプールか蝉取り。


休日は、どのように過ごしていらっしゃいますか?
名古屋飛行場にあるメンバー10名程度の飛行クラブに所属しており、1−2週間に一度程度の頻度で飛行しています。計器飛行証明をカレントにしておく必要もありますし。名古屋飛行場はILSなどの航空保安施設も充実していますし、環境としては恵まれています。
下手の部類ですが、バイオリンを弾くのが好きですね。周囲のお宅ではきっと迷惑しておられることと思います。(笑)


アメリカ滞在は、初めてですか?
仕事柄、時々滞在することがあります。

渡米前において


渡米前に、どのような準備をなさいましたか?
渡米期間中は実技訓練に集中できるよう、勉強に時間のかかる学科試験問題は通販で問題集を米国から取り寄せ、国内で学習しておきました。
また、実技では航空振興財団のシミュレータに何時間か乗りにゆきました。最近のシミュレータは優秀ですし、何より失敗しても死にませんから。(笑)
とにかく、渡米期間は限られていますので、事前に国内でできることはやっておこうと思いました。

 

◎東京事務所フライトインストラクターよりコメント


H.Tさんは、渡米前に、国内でできる準備は全て行っていらっしゃいました。
例えば、アメリカでの訓練をイメージして多発のシミュレーターを利用なさったり東京事務所と連絡を密に取り合って飛行内容/訓練内容の確認そして試験の内容確認など行っていらしたので、必然的に短期間でのライセンス取得に繋がりました。

先を見通して行動なさることはパイロットにとって、とても必要な事ですが、かつ入念な準備をすすめられたことは流石です。
渡米前は、多発はもちろん計器まで取得したいという、強い目標を持っていらっしゃいましたので、それがまた、精神的は支えになったのではないでしょうか?
強い意志と目標が必要ですね。
訓練は、自分自ら臨んで行くものですから。



現地訓練中は、どのようなタイムスケジュールにて生活していらっしゃいましたか?
(おおまかな一日のタイムスケジュールを教えてください)
朝6時起床、シャワー、朝食を済ませ、訓練の予習・復習。
8時30分パイロットハウス出発。
9時学校到着。飛行訓練。それ以外は訓練の復習等。
17時下校。
17時30分帰宅。時々スーパーへ買い出しに。
夕食後、訓練の復習等。
10時就寝。
といった具合でしょうか。オレゴンは自然がいっぱいで、朝早く起きて窓をあけると、きれいな鳥の声がたくさん聞こえてよかったですね。


訓練生活はいかがでしたか?寝起き/食事を共にする集団生活は初めてのご経験ですか?大変だったこととか、新しい発見となど。

同じ目的を持つ仲間と集団生活すると、教えたり教えられたりすることで進歩が速くなりますね。これはパイロットハウスを利用することの非常に大きな特長だと思います。それに加えて、文字通り「同じ釜の飯を食べた」仲間たちですので心から仲良くなれます。この先どこで会ってもオレゴンの話で盛り上がりそうですね。


訓練校に隣接したハンガー(格納庫)へ時折出向いていらしたそうですが、どんな情報を収穫できましたか?現地のハンガーはいかがでしたか?
すぐ隣が整備工場になっており、常時何かしらの機体が整備に入っていて飛行機の内部がつぶさに見られました。
整備士の方々も気さくで、こちらの質問にも仕事を中断してまでして丁寧に答えてくださっていました。

ちょうど訓練に使う多発機が耐空検査に入っていてかなり詳細に内部を見ることができましたし、マニュアルの記載事項と比較しながら見ると具体性があって理解も深くなりましたね。

例えば、左右の燃料タンクの燃料クロスフィードラインの直径は通常時の燃料フィードラインの直径より明らかに小さくて、これだと離陸や着陸復航時の最大燃料流量はまかなえないだろうなぁ、などと思っていると、マニュアルにも、クロスフィードは巡航時のみ使用すること、などと書いてあったりとか。

       

H.Tさんは渡米直後セミノールが100時間点検に入ったのですが、連日点検の為裸になった機体のそばを離れず何時間も仔細に見つめていました。
英語が堪能な事もありシステムにも詳しいので整備士連中も一目置いていたようです。
ご本人は小型機のシステムが良く分かったと言っていました。
現地報告より

訓練期間中、どこかへ出向きましたか?(訓練校、近隣のマーケット以外に)
長距離野外飛行にゆく他の訓練生の後部座席に乗せてもらって、ちょっと離れた場所まで連れて行ってもらったりしました。
オレゴン州は風光明媚な所が多く、特に海岸線がとても美しい、と聞いていましたが、本当でしたね。

また海沿いの町では海産物も新鮮で、訪れたレストランでもシーフードが美味でした。また、Tillamookというところにはかつて米国海軍が所有していたという巨大なハンガーを航空博物館に改装したところがあって、特に海軍機を中心にいろいろな機体が展示されていて、なぜか旧日本陸軍の隼も展示されていました。

訓練校CVOからTillamookまで60NM Cessna152にて約40分のFlightで到着します。

Tillamook Air Museum

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Tillamook Air Museumは海軍航空基地として落成され、現在格納庫1棟はティラムック航空博物館として観光の名所になっています。


Tillamookは酪農が経済の中心でティラムック・チーズ・ファクトリーは郡内最大の企業でありティラムック産の酪農製品はアメリカ合衆国全域に流通しています。

Tillamookというところにはかつて米国海軍が所有していたという巨大なハンガーを航空博物館に改装したところがあって、特に海軍機を中心にいろいろな機体が展示されていて、なぜか旧日本陸軍の隼も展示されていました。。


H.Tさんにとって、ライセンスを取得するということは?
航空機の操縦資格を取ってゆく課程は、航空機の運用現場についての知識を与えてくれるのと共に、飛行することの楽しさも教えてくれます。
しかし、その楽しさは常に危険と隣り合わせです。
「危険を如何に回避するか」ということを命題として、航空機のこれまでの歴史において航空機の設計・製造技術も進化してきたし操縦技術も進化してきた訳で、例えば、操縦技術の分野ではヒューマンファクタ訓練とかCRMとか、いろいろな手法が導入されてきている訳です。

操縦資格を取ってゆく訓練課程ではこれらを身に付けてゆくことができ、より安全に飛ぶことができるようになりますし、このあたりの「人類が構築してきた財産」を身につけることができることも操縦資格を取ることの素晴らしさの一つだと思います。



これから、お仕事をなさりながらライセンス取得を目指す方々へ一言お願いします。

夢を持ちその実現に向けてがんばることは人生を豊かにする、と思います。
案ずるより産むが易し、でどんどん挑戦してみてください。


高見さんにとって「座右の銘」は?
いろいろありますが、今回は次でしょうか。
「人生は短い。いまがんばらずに、いつがんばる。」


パイロットとしてJoyFlightを考えていらっしゃいますか?
ぜひまたオレゴンを訪れて、今回行けなかった場所やその他いろいろな場所にいってみたいですね。


現地訓練生へ一言お声をかけてください。
飛行機の操縦は、人により学習の速い遅いはありますが、努力していれば必ずできるようになります。
長い訓練期間中には壁に突き当たったように感じることもあるかもしれませんが、そうやっていろいろと考え悩んでいる時こそ、自分の内側で何かが成長している時だと思います。

それはいつかきっと花を開くでしょう。うんと悩んで立派なパイロットになってください。


高見さんの夢をお聞かせ願いますか?
(飛行機/フライトに関係ない夢でも、なんでもどうぞ)

バイオリンのいろいろな曲を自由自在に弾きこなせるようになりたいですね。これは飛行機の操縦よりもはるかにむずかしいです。。。


小野アビエーションに一言お願いします。
人を育てる仕事は、いろいろな仕事の中で最も尊いものだと思います。
外国の地にあって必ずしも好意的な人たちばかりでもない環境の中で、よく私たち生徒を育てあげてくださっていると思います。

本当にありがとうございます。これからもますます発展され、数多くの優れたパイロット諸君を世に送り出していただきますように。

 

取材させていただきまして誠にありがとうございます。
H.Tさんの益々のご発展をお祈りいたします。

今度はバイオリンのお話を聞かせてくださいね。

 

 

 

 

 

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