No.48 「飛行場付き住宅」 代表小野

私たちが毎日飛行しているコルバリスの飛行場から北に30マイル、飛行機で約15分のところにIndependence(インディペンダンス)と言う飛行場があります。

滑走路長は3000Feet(1000m)の小さな飛行場ですが、狭い飛行場での離着陸訓練のため私たちも良く訪れます。この飛行場には可愛らしいレストランがありこれを目当てに飛来する飛行機も多く週末は結構多くのトラフィックがあります。こんな小さな飛行場にレストランがあるには理由があります。

 

この飛行場に隣接して格納庫付きの高級住宅が分譲されているからです。飛行場に降りたらそのままタクシーウエイを通って自宅に直行、格納庫に飛行機を入れればそこが自宅と言うわけです。

 

 

休みの日には愛機の整備点検やワックスかけが楽しめます。勿論自宅で何年かかけてホームビルト機を組み立てそのまま試験飛行に飛び立つと言うことも可能です。

家についている格納庫だからと言って小さなものを想像しがちですが大きさは家の大きさと比例し小さなものから、ちょっとしたビジネスジェットまで入りそうな大きなものまであります。先日インディペンダンスのレストランで食事をした際、一寸時間が出来たので住宅街を歩いてみることにしました。


レストランの住宅街口つまり飛行場側から入るのと逆側の入り口を出るとそこは高級住宅街。通常の住宅と違うのは家に隣接したガレージの代わりに巨大な格納庫が付いている事です。
ガレージはと言うと住宅の裏に面した道路側についていました。つまり家は前面のタクシーウェイと裏の自動車用道路に挟まれているわけです。いずれも見事な家ばかりできょろきょろとしている時、歩いて通りかかったおじさんがいたので話しかけてみました。

話を聞くとこの住宅街に自宅を持っている人で同じ住宅に住む友人宅に散歩をかねて尋ねる途中との事、あつかましく家を見せてくれるよう頼んだところ快く案内してくれました。
今来た道を引き返していくルースさんと歩きながら色々話を聞きました。勿論飛行機大好き人間のようですがそれ程お金持ちにも見えず仕事を聞いてみると病院の検査技師だそうです。
言ってみれば中流のサラリーマンと言ったところでしょうか。病院勤めなので勤務の都合で平日休むことも多く自由な時間が多いので良い仕事だと言っていました。


そんな話をしているうちに5分ほどで家に到着です。この家は3年ほど前に中古で購入しその後ルースさん自身でペンキの塗り替えや内装のリモデルなど休みのたびに行っているそうです。
日本人と違ってこうした事は大抵自分でやるのがアメリカ流で何年もかけて綺麗にした家を買値の数倍の価格で売り、次にもっと大きな家を手に入れる人が多いと聞きます。

趣味と実益を兼ねた方法ですが仕事に疲れ果て休みの日はごろごろするだけで終わってしまう平均的な日本人にはとても無理な話です。さてルースさんの家ですが正面は車道に面して車庫があり裏には格納庫の入口があるつくりでした。
1階はキッチンと広々としたダイニング、更にリビングルームとメインベッドルーム。2回は子供部屋やオフィスなど4ベッドルームとそれなりに立派な家でしたが2階から更に螺旋階段を上がるとそこは空港の管制塔を思わせるガラス張りの展望台でした。まだ改築工事途中とのことでしたがここからは滑走路を見ることが出来るだけでなく天気が良い日は遠く雪を頂いたカスケードまで見渡せるそうです。なるほど高い建物など無いインディペンダンスならではです。


管制塔を降り1階のキッチンのドアを開けて格納庫へ。幅20メートル高さは5メートルほどとちょっとした飛行学校の格納庫並みの大きさです。残念ながらルースさん現在は飛行機を所有していませんが中にはキャンピングカーや趣味で集めているビンテージカーそしてトランポリンやキャンピング道具などが置いてありました。

飛行機の部品や古いエンジンがあちこちに置かれているのは現在飛行機を再生すべく材料を集めているからだそうです。作ろうと準備しているのはテーラークラフトと言う尾輪式の飛行機、マニアは良くご存知のパイパースーパーカブのような飛行機です。
この飛行機は一時アビアで所有していたことがありますが、羽布張り、スターターが無く始動は木製のペラ手回しと言う代物。速度は70ノット程度ではなかったかと思いますが何しろ燃料消費が少なく速度が遅い分飛行時間が稼げるし尾輪の経験がつめるということで結構な人気でした。


その材料を見せてもらってびっくり、胴体と翼の骨組みそしてエンジンマウントらしきものだけです。かってジャングルで朽ち果てていたゼロ戦を持ち帰って再生したと言う話を聞きますがこれも同じようなものなのか。部品がそろって設計図だけで組み立てるホームビルト機でさえ週末だけの作業では2~3年かかると聞いていましたが、これから新しいエンジンを発注するとご本人は大真面目です。

実際に飛行している機体だけに計器版やケーブル類などは注文でそろうとは思いますがプロで無い人が完成までたどり着くまでにはどのくらいかかるのか見当も付きません。
ルースさん「展望台が完成してからこれにかかるからどのくらいかかるかな」と笑っていましたが手伝ってくれる友人も居るそうです。
これから歩いておしゃべりに行く人もきっと手伝ってくれる仲間なんでしょう、飛行機をこんな形で楽しんでいる人達が居ることを知り何か羨ましい気がしました。

ルースさんにお礼を言って滑走路そばまで戻ってきたら、なんと滑走路の脇の住宅2軒はルースさんの家と同じスタイルの管制塔を持った家でした。ここから日がな一日離着陸する飛行機を見ていたら飽きないでしょう。

どなたかここで家を買おうと言う方は居ませんか。現在も数軒が売りに出ており家を建てる為のロットも売っているようです。
お値段は家の大きさや築年数にも寄りますが日本の相場と比べれば信じられないくらい安いです。昨今の経済状況を考えると投資としても良いかも知れません。


興味のある方は是非コルバリスへ来てください。私がご案内しましょう。

 

 


 

 

 


 

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