オレゴン情報こぼれ話

No. 47 「スプルースグース」代表小野

[2009.08.09]

皆さんスプルースグース(Spruce Goose)ってきいたことがありますか?航空ファンなら一度は聞いたことがあるのではないかと思いますがアメリカの大富豪であるハワード・ヒューズが作った木製の世界最大の8発(エンジン)飛行艇です。


設計を開始した頃は第2次世界大戦時で金属の使用が制限されていたため樺(かば)やトウヒの木を利用して作ったものですが実際に完成したのは戦後の1947年、試験飛行では海上わずかに浮き上がったのですがそれ以上は飛行できませんでした。


長さ67m幅98mと現代のジャンボジェットをしのぐ大きさの飛行機を木で作ったわけですからわずかに浮上できただけでも大したものですが本当にこれに貨物や人間を乗せて飛ばせようとしていたのかは疑問です。


しかしこの経験がその後の航空界での大型機の発展に大いに寄与したであろう事は異論の無い事と思います。このFlying Boat H-4 がオレゴンにあることは意外と知れていません。実はコルバリスより北に50マイルほどに位置するマクミンビル市のエバグリーン航空博物館(EVERGREEN Aviation&SpaceMuseum)に展示されているのです。


マクミンビル市の飛行場は1800m級のメインを含む2本の交差滑走路を持つ本格的な飛行場です。グライダーの学校があり週末にはかなりの数のグライダーが飛行しています。コルバリスからの距離も適当であり訓練生諸君がクロスカントリーでもしばしば訪れる場所です。
訓練生諸君が見学に行くには飛行機のほうが便利かもしれませんが今回は地上から車で出かけてみました。コルバリスからは約1時間半のドライブ、町の中心を走るHWY99W をひたすら北上します。

ハイウエイの両脇は果樹園や小麦畑そしてブドウ畑が次々に現れI-5の単調なドライブと違った楽しいものになりました。
丘の中腹や山頂には洒落たワイナリーの建物が幾つも続き道路に面したゲートには
「Tasting」の看板が掲げたれています。これは工場内で「味見」をした上、直売所でこれを買うことができると言うサインです。


何軒かのワイナリーを過ぎると「FIRESTEED」の看板、そういえば我が社のワイン好き女性教官のSさんが絶賛していたのはここのワイン。予定外でしたが立ち寄ってみることにしました。サインにしたがって街道を右折し、なだらかな丘陵のブドウ畑を登ると間もなくワイン工場が現れます。何の変哲も無い建物ですが工場の隅のドアには「Tasting」のサインがありました。中は快適なエアコンと薄暗い照明で別世界、廊下を過ぎると洒落たバーのようなテイスティンルルームに入ります。ガラス越しには天井の高いワイン蒸留装置と貯蔵庫など工場内部が見えます。
*Oregonには多くのワイナリーがあります!オレゴワインについてはこちら、ご参照ください。


先客がちらほらと居る中で早速テイスティングです。残念ながらドライバーの私はあまり楽しむわけには行きませんでしたが同行したワイン好きの家族は大いに楽しんだようです。


最初は比較的買いやすいお勧めのワインから始まり徐々にワイナリーの自信作が出てくるようで、これは旨い、いや此方はもっととワイン好きの人にとっては堪らない体験のようです。結局、赤のPinoNoar 1ケースと白のPinoGri数本を購入してしまいました。会計時には定価の10%ほどの割引してもらい一寸得をした気分。


さてワイナリーでの戦果を手にして又一路北に向かうと間もなくMcMinnvilleの町に入ります。航空博物館でもランチを取ることは出来るのですが今日は「Carls Junior」にてテリヤキバーガー(Sixdollers Burger)とマッシュルームバーガー(Sixdollers Burger)を食べることにしました。(ちなみCJでSixdollers Burgerとはサイズを示すものでLサイズと同義語です)この店は日本ではなじみがないのですが我が家では「バーガーキング」通称BKに次ぐ人気店です。特徴はそのバーガーの巨大さにあります。

日本のビッグマックなんてこいつに比べれば赤ん坊のようなものバンズの厚さが違います。私の手のひらに比べてもらえればその大きさが分かると思います。ジューシーなバーガーにフレッシュな野菜、パイナップルの切り身がたっぷり入って他では味わえない美味しさです。

おなかがいっぱいになった所でいよいよミュージアムへと向かいます。Museumは町から数マイル東の空港に隣接した建物ですがAviation(航空) Space(宇宙) Imax(劇場)と3つの建物に分かれています。


 


私にとっても初めての訪問でしたが建物の立派さにびっくり。建物を取り囲んでジェット機やDC-3などの飛行機そして何故か戦車や装甲車両なども展示されており入場料を払わなくても結構楽しめます。それぞれの建物には沢山の展示品があり短時間では見切れないので今日は航空館だけ見学することにしました。


建物に入って先ずは圧倒されるのはやはりスプルースグース、建物の半分以上を占める大きさです。主翼の下展示されているDC-3がまるでプラモデルのように小さく見えS.Gの大きさが実感できます。展示機の1/3程は主翼あるいは尾翼の下に展示されているようで丁度マザーグースの羽の下にひな鳥が隠れているよう。

ハワード・ヒューズについては色々な評価がありますが60年以上前に最後まで木製機にこだわり巨人機完成にこぎつけた熱意と努力には感服。タラップのような階段をあがり機内を見学することが出来ますがコックピットは別料金になっておりその日は閉鎖されていました。

展示機は多岐に渡りライト兄弟のライトフライアー(レプリカ)からF15Aまで様々ですが私はフォード・トライモーターFord5-AT-B Tri-Motorが気に入りました。

自動車で一時代を築いたフォードが飛行機を作っていたなんて面白いですね。日本機はありませんがP-38の展示コーナーでは山本五十六搭乗機がP38戦闘機隊に撃墜されたいきさつについてのビデオが流れていました。日本人としては少々、複雑な気分でこのビデオを見ました。

売店の上は2階になっていて各国の銃器が展示されています。旧日本軍が使用した機関銃等各国の主に軍用の銃が展示されているので興味のある人には面白いかもしれません。ここからはS.Gを上から見下ろすことも出来るのでもう一度この大きさを実感することが出来ます。
見学に疲れたらコーヒーショップでスターバックスのラテを楽しみます。
さあまだまだ見ていない機体がいっぱいあります。もう一回りしてみましょう。


 

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